(7)彼岸先生の寝室哲学 島田雅彦(1996)

永卯称瓶

2007年03月22日 00:48




きょうは春分の日、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」そんな日なんだそうです。この休日の存在は意識してなかっただけに、儲けもんですね。早朝6:00から草野球8:00終了。風呂、昼寝、酒。生物をいつくしむこともなく、休日が終わりそうです。

くだらなくて、おもしろい
これは女子禁制


 1章は彼岸先生と島田が対談で、男女のこと、恋愛のことを延々と話す。三角関係について、母性本能について、幼稚さについて、オナニーについてなどなど、テーマに沿った対談だ。毎回先生の豊富な経験と知識をもとに、女とは、男とはを語る、そこにもてない男代表として島田がツッこみながら話す。平たく言えば全編シモネタと先生の変態な趣味趣向と経験談集。淡々と、紳士的に語られるシモネタは、下品ではない読み口がかえって変態的。
 そのなかで「ニオイについて」というテーマがある。人間は他の動物に比べるとニオイに鈍感、視覚に頼りきっている。動物界ではニオイが強烈なほどオスとして性交の可能性が高くなる、「いいオス、クサイ論」が展開される。でも、日本人は体臭がほとんどなく、ラスタしなければならないし、したからといってもてないのが、文明社会。一方で、女性もにおうほどいい女で、中国の香妃は芳香体質でなつめの花のニオイがしたとか、しないとか。先日の映画「パフューム」の香りとはどんなものだったのか、やはり、芳香体質であったのか、それとも西洋人特有の人間臭なのか、などと考えてしまう。せんせいによれば、オーストラリアの女からはブッシュのニオイがし、漁師の娘は生臭いニオイ、ビタミンCのサプリをのむ女からはビタミンCのニオイがするそうだ。汗にまじってでるから、身体に入れるものからは特に出るんだろう。たしかに、酒を飲んだ次の日は酒臭い。オヤジくさい。
 とにかく、インテリなシモネタ、男子はもとより、女子も読めますね。
 しかし、この先生は何の先生なんだろうか?

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