2007年01月15日

(2)ミラクル 辻仁成



世の中は奇跡があふれてる、とはよく言ったもので、今日の情熱大陸ででてた梅佳代の写真もミラクルの瞬間の切り取りでした。おもしろい瞬間を写真にできるというのは簡単に見えて難しい。撮ろうと思ってきばっていても撮れるもんではない。写真を撮るのが生活の一部で、そうして過ごすのがごく当然でいれるから撮れるんだろうな、と。なんとなしにパチリが、あとからみたらよかったり、得てして思い出がくっついてくる写真はそういう写真だったりします。記念撮影や観光地で撮った写真は記念だったり、ぼくここにいってきましたけど、という写真で記憶が薄い。なにげないところで撮った写真ほどこころにも手元にものこってます。

「ミラクル」は、子供のころにあったのに、大人になると無くなってしまうものがたくさんある、というはじまり。かつて子供のときに見えていたものがどんなものだったのか残念なことに思い出すこともできない。物心つくころにはすでに母親を亡くしていた少年アルであったが、父親はそのことを息子に嘘をつき、真実を先延ばしに。アルはアルにしか見えない二人のとぼけた幽霊と過ごし、母親とはどんな人なのか、そこらじゅうの母親に自分の母親かと確かめる。
「ママは許してくれる人」「人間はずっとママに許されて生きていくんだよ」というふたりの幽霊の言葉を信じて、探すアルの姿が切ない。最後のワンシーン、アルはおとなになれたってことでしょうか。


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